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「終戦のエンペラー」を観て

「終戦のエンペラー」を観てきました。

原爆が投下され、日本が連合軍に降伏。焦土となった日本に、マッカーサー元帥が飛行機で降り立つあの有名なシーンから映画は始まります。一面、焼野原となった敗戦直後の光景に、圧倒されました。

戦争については、もちろん国や個人によっていろんな捉え方があるわけですが、この映画では日米双方の立場の言い分は入っていたと思います。個人的には、「この戦争の責任は誰が負うべきか」という連合軍による問い自体が、本来は矛盾していると思います。その矛先を日本だけに向けているからです。そもそもセオドア・ルーズベルトは日本征服のためのオレンジ計画を立てており、何十年も経って、甥のフランクリン・ルーズベルトがそれが果たしたわけなのです。日本は、アメリカと戦争をしようとは夢にも思っておらず、むしろなんとか戦争を避けるための交渉をしようとしていました。一方で、戦争をしないという公約で当選したフランクリン・ルーズベルトは戦争を仕掛けるわけにはいかず、そのためハル・ノートを日本に突きつけることで、日本から戦争を仕掛けるように仕向けたのです。日本に対して「死ね」と言っているに等しいそのハル・ノートを受けて、日本は戦争せざるを得ない状況に追い込まれました。石油が入ってこない状況で、日本はどうやって生き延びることができるというのか。この映画では、そのあたりについては石油のことについてのみ触れられています。しかし、原爆投下、都市への無差別空襲の残酷さについても画面を通して伝わってきますので、双方に非があったと感じさせる内容になっています。お互いの立場を理解しあう意図のもとで、この映画は製作されていますので、それでいいのだろうと思います。

主人公の恋人アヤを演じた初音映莉子、とても美しかったですね。宮内次官・関屋貞三郎を演じた夏八木勲の演技も、とても印象に残りました。

宮崎駿監督の「風立ちぬ」とともに、この夏、必見の映画だと思います。

2013-08-01 | Posted in エンターテイメントNo Comments »