社会

正義の女神

ギリシャ神話の中に、正義の女神アストレイアの話があります。

彼女は、神々の王ゼウスと法の女神テミスの間の娘で、

彼女の持つ天秤で、人間の罪を計るとされます。

これまで、黄金・銀・鉄の３つの時代がありました。

黄金時代には、神々と人々がともに暮らし

平和で幸福な生活を送っていました。

銀の時代になると、人々に強弱、貧富の差が出てきて、

互いに争うようになりました。

そのため、神々は愛想をつかして、天界へ帰ってしまいます。

けれど、正義の女神アストレイアだけは人間を信じ、

人々に争わないよう説いて、地上に残りました。

そして、鉄の時代。

人々が戦争をして、殺し合うようになると、

ついにアストレイアは地上の人間を見限って、

天に戻りました。

アストレイアの天秤は、天秤座として空に上ったということです。

このギリシャ神話のアストレイアの気持ちが

わかるような気がします。

現代の人間は、原発という自分たちの手に負えないものを作り、

未来の生命を犠牲にしているのです。

原発推進の人々の価値観は、「利害」です。

損か得かで動く価値観。

「今の生活を維持するには、原発は必要」

と言います。

原発反対の人々の価値観は、「生命」です。

生命が危険にさらされることは、「悪」です。

正しいことか悪いことか。

現代の便利さのために、何十万年もの間、この地球を

放射能汚染の危機にさらしていいのか。

原発はなくても、火力・水力等でまかなえます。

（そうした調査結果が出ています）

原発によって利益を享受している人たちから

原発がないとダメだ、と思いこまされているだけです。

これからは、新エネルギー開発に力を入れていけばいい。

その覚悟があれば、できますよ。

原発で働いてきた方々や、原発事故に遭った方々が、

どれだけ放射能による被害で苦しんてきたか。

そして今、こうして私たちの身に降りかかっていることか。

これから何十万年も、放射能に汚染された廃棄物を

安全に保存することなんて、できはしない。

こうしたリスクや犠牲の上に、現代文明を成り立たせるのは

間違っていると思います。

「利害」ではなく、「生命」の価値基準で考えるべきです。

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