父のこと

父の死で私が失敗したこと その2

【6】ガンになったことがあり、その後、かなり体調が悪くなった場合、


医者が「原因がわからない」と言っていても、それはガンの再発の


可能性があることを覚悟しておいた方がいいと思います。

私の父は、4年前に胃ガンの手術を受けました。

胃の3分の2を切除して、他への転移もなかったため、

その後は、定期検査を受けていました。

今年に入ってから、腸の状態が悪化して、

あまり物が食べられないようになりました。

しかし、今年の4月の定期診断では、転移はない

という診断結果でした。

それでも、父の具合は悪くなるばかりです。

5月に近くの個人病院に入院して点滴を受けましたが、

退院しても状況は少しも良くなりませんでした。

その後、まったく食べられなくなってしまったので、

今年の9月、救急車を呼んで入院しました。

しかし、救急車の中で、かかりつけの病院に電話が

つながらなかったため、家の近くの福岡徳洲会病院に

入院することになったのです。

診断結果は「腸閉塞」で、毎日、点滴の日々でした。

ガンの転移はないとのことでした。

私は、いろいろ調べて腸閉塞は治る病気だと思いました。

しかし、入院しているにも関わらず父の病状は悪化しました。

腸を膨らます治療を受けていたのですが、

今まで物が食べられずにペチャンコだったお腹が

今度はパンパンに膨らんできたのです。

腹水がたまっているということで、うちでは治療できなから

他の病院へ行ってほしいと言われました。

1回、腹水を抜こうとしたらしいのですが、

父は、腸をいじられて、とても痛かったそうです。

退院する時には、自分の意思で排便を調整することが

できない状態になっており、オムツなしではいられない

状態になっていました。

入院して、さらにひどい状態になって退院させられるって、

こんなひどいことがあるでしょうか。

10月1日に、かかりつけの福岡赤十字病院へ入院しました。

腹水がたまっていたのではなくて、腸が膨らんでいた

状態だったそうです。

検査後、人口肛門の手術をするかもしれないという話でした。

検査は、2週間以上かかりました。

ところが、肺に穴が空いていることが分かったため、

全身麻酔ができず、手術はできないということになりました。

父は、手術ができれば食べられるようになると

希望をもっていたので、落胆したようです。

そして、腸のまわりのあちこちに

ポツポツと何かあると言われました。

腸がねじれていて隠れているため、

もっと調べないとわからないが、ガンの転移の可能性を

この時、初めて言われました。

その後、病名は「癌性腹膜炎」と診断されます。

腸の中ではないが、外側のあちこちにガンが転移しており、

すでに末期の状態。

余命3ヵ月、半年もつかどうか。

手術もできないし、治療の施しようがないので、

今月中に退院して自宅静養するか、ホスピスに入れるか

選択するように言われました。

それが、亡くなる1週間か10日くらい前だったと思います。

それまで、ずっと転移はないと言われていたのに、

亡くなる直前に、末期のガンを宣告されたのです。

後から聞いた妹の話によると、父は絶望して、

「先生、安楽死させてください」

と頼みこんだそうです。

この頃から、父は「死にたい、死にたい」と言っていたようです。

そして、私が福岡に帰る予定の前日に容態が急変。

29日の0時15分に息を引き取りました。

最後は、あまりに急展開で、余命3ヵ月から一転して

余命2~3日へ。

そして容態急変から半日も経たないうちに、

父は息を引き取ってしまったのです。

ガンの末期と宣告された時点で、すぐに飛んで

帰るべきでした。

2012-11-16 | Posted in 父のことNo Comments »