社会

原発を推進する人たちの気持ち

相手の気持ちを考えるというのは、

とても大事なことだと思う。

ということで、野田首相や電力会社、官僚、財界、

原発交付金を受けている自治体、原発により生活が

成り立っている人たちの気持ちを考えてみた。

まず、大飯原発の再稼働を急いだことについて。

本当の意味での安全性を確保してからの稼働だと

何年かかるか、コストもどのくらいかかることになるか、

わかったものじゃない。

活断層の存在が明らかになれば、それこそ再稼働なんて

永遠にできなくなってしまう。

このまま全原発が動かなければ、電力会社は破綻するだろう。

それは、とんでもない。

なんとしても、電力会社を守るのだ。

野田首相は、官僚や財界から、いかにももっともらしいことを言われ、

日本の経済を守るには、一般市民のいうことに耳を傾けていられない。

首相である私は、なんとしても日本の経済を守らなくてはならない。

自分の代で経済が破綻してしまえば、後で何を言われるか

わからない。

経済界からの支持基盤も失うだろう。

一般市民がなんと言おうと、これは首相として

やらねばならないことなのだ。

と思いこんでいるのだろう。

そうして、これはツイッターでそういう意見があることを知ったのだが、

原発のある地元の人たちの中に、

「命よりも経済が大事だ」

という声があったという。

経済、つまりお金というのは、生きるのに必要なものだ。

そのために、人は自分の命を削って働く。

つまり、お金というのは、命と同じという見方が

できるだろう。

それは、よくわかる。

しかし正確に言うと、命の一部だと思う。

すべてではない。

命の一部(時間や労力)を削って得たものがお金であり、

命自体を失えば、お金を得ても意味がない。

火事の最中に、財産をとりに家に戻って命を失えば、

元も子もないのだ。

ところで、自分が生きていくために、他の人や

また子孫の命の安全を脅かしていいものだろうか。

現代、人類は放射能を無効化する技術を持たないのに、

プルトニウムをはじめとする放射能を作り続けている。

自分のこれまでの生活の基盤を脅かされるという理由で、

それを続けていっていいものだろうか。

人の命の犠牲の上に、自分の幸福の基盤を築いていいのか。

今、本当に必要なことは、こうして原発に依存してきた

電力会社や原発を受け入れた町の経済基盤を見直すことであり、

危険と知りながら原発の稼働を続ける

ということではない。

人類は、過ちに気付いたのなら、引き返さなくてはならない。

これ以上の犠牲を生み出す前に。

2012-07-11 | Posted in 社会4 Comments » 

コメント4件

 しほ♭ | 2012.07.11 13:06

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電力会社の社員の家族の知人がいます...
あまり関わりたくない人がほとんどと
人のことを考えられる人がごくわずか
電力不足になるのは原発が止まっているからだと平気で言うことに驚きました
なにがよいのかなんてそのとき未来にならないとわからない
でも未来のためにできることをできるのがいいけど
むなしい努力(冷却し続けること)をしつつ
減らしていく方向で考えられない人がいることに驚き落胆しました....
爆弾は落とす落とさないの選択ができるけど
事故は天災、人災で起こりますから...

 北村ノア | 2012.07.12 12:34

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人の気持ちや今後の行き先を考えることのできる想像力は、
とても大切なものですね。
それが欠如している場合、自分たちさえよければ、
他の人たちのことはどうでもいいとか
今さえよければそれでいいという態度を
とることができるのでしょう。
話が通じる相手ではないということは、
本当にやるせないことですね。
自分にとって不利なことは考えたくないという
心理もあるでしょう。
人は、自分が信じたいと思うものを信じます。
真実から目を背けようとするのは、
人間の弱さなんでしょうね。

 ピッチー | 2012.07.12 13:42

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私も、基本、原発は反対です。しかし、原子力産業は、日本が最先端の技術を誇る産業であることも確かです。お隣の韓国は、国の総力を挙げて、原発の輸出を促進している。東芝が優先交渉権を持っていた、トルコの原発建設を、韓国が受注を狙っている。一基6000億円、経済波及効果1兆円。日本の製造業が不振な中、ある意味、日本経済の希望の光であった原子力産業。
福島の原発事故が起こる前までは。政府は、未だ、海外には、輸出促進という方針だ。国際競争力という観点からすると、この原子力産業というモンスターを捨てるに捨てきれないというのが、政府の本音なのでは。

 北村ノア | 2012.07.12 14:35

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コメント、どうもありがとうございます。
日本の技術力を世界に示すという意味合いも大きかったことでしょうね。
他国が原子力に関する技術を持っていて、
日本がそれに遅れるわけにはいかないというのは、
たしかに本音でしょう。
そして日本がアメリカから原子炉を買ったように、
今度は日本が海外に原子炉を輸出することで得る経済効果。
まさに原子力産業は、多くの利益を生み出す夢の産業として
映ったんでしょうね。
負のリスクのことなど、たいして考えもせずに。
しかし、地熱エネルギーを使ったシステムなどを
たしか東芝あたりが北欧に輸出していますし、
今後は違う方向で日本の技術を生かしてほしいものです。