父のこと

マーガレットの花言葉

私の部屋に飾っている父の写真ですが、立っている父の前に、

マーガレットの花がたくさん（40本くらい）咲いていました。

その花の向こうで、父が両手を自然に前に組んで、

こちらを静かに見つめています。

花と一緒に写った写真なんて、たぶん他にないと思いますが、

この時は、たまたま高島屋の屋外でしたので、

木とか花の鉢植えが、まわりにたくさんありました。

なんとなく、その様子が、父が私にマーガレットの花束を

差し出してくれているように見えましたので、

花言葉を調べてみました。

【マーガレットの花言葉】

恋を占う、貞節、誠実、心に秘めた愛、真実の友情

というような意味があるようです。

マーガレットは、ギリシャ語で「真珠」を意味するそうです。

とても清楚で控えめな花のイメージがありますね。

亡くなる二週間くらい前に、父と電話で話をしましたが、

私が思っていることを話した後、父が

「お前が一番、お父さんの思っていることを分かっている」

というようなことを言いました。

そして最後に、私が

「じゃあ、29日に帰ってくるけんね」

と言ったら、ものすごく優しい弱々しい声で

「ムリせんようにしてね」

というようなことを言いました。

それが、最後に聞いた父の声だったと思います。

本当は、「すぐに帰ってきてほしい」という気持ちだったと

思うんですが、最後まで自分より娘のことを

気づかっていたんですね。

この言葉を聞いたとき、

（お父さん、何を言っているの。本当は早く帰ってきて

ほしい、というところなのに…）

と、とまどったことを覚えています。

おそらく、うっかりいつものように、言ってしまったんですね。

自分の本音を言わなくちゃいけないところで、

思わず、いつものような言葉を使ってしまったんだと思います。

本当に、最後まで人が良すぎるというか、

おバカさんです。

父が危ない状況なのに、当日の飛行機が間に合わないと

わかった時、私は思考が一旦停止して、何をしたらいいのか

わからなくなりました。

そのまま夜中の0時15分に、父は息を引き取ったわけですが、

その時の私への言葉だったのかもしれません。

今まで、マーガレットという花のことを気にかけたことは

なかったですが、父の死後、この花はとても父に似つかわしい

花のような気がしました。

不思議なものですね。

父が亡くなる１ヵ月前に見た、片目のカナリアの夢

あれは、やはり父親でした。

父の左目は、かなり悪くて、ほとんど見えないと言っても

いい状況だったと思います。

あの時に、すぐに家に帰るべきでした。

父が亡くなる２～３日前に、私の甥っ子が夢を見たそうです。

「じいちゃんが、どこかへ行く夢を見た」

このことを聞いた時、

（ああ、父の寿命だったのか）

と思いました。

あと一日というところで会えなかったのは、

私と父との何かのめぐり合わせだったのかもしれません。

また次にめぐり会うために、こうして別れることに

なったのだろうと思います。

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