父のこと

父の死 その2

その日の夜は、とても眠ることができませんでした。

ずっと私は泣きながら、父に話しかけていました。

ごめんね、ごめんね、という思い。

ずっと私のことを待ち続けていたのに、

最後は、どんな気持ちで逝ったのだろう…。

時々、おそろしいヴィジョンが見えてきそうになるので、

(あっちへ行け!! お父さんに手を出したら許さない!)

と、それを追い払いました。

泣きすぎて、頭がぼうっとして痛い感じです。

それでも、明け方の4時台の記憶はないので、

1時間くらいは、寝れたのかもしれません。

当日は通夜で、翌日はお葬式なので、寝ておかなくてはいけませんが、

とても眠ることができませんでした。

ようやく朝が来ました。

葬儀の打ち合わせは、次女が義父の葬儀を経験していたこともあり、

母と妹夫婦にお願いすることにしました。

私は、予約していた12時半の飛行機で、福岡に向かいます。

福岡に向かう途中、子供の頃に父が歌っていた替え歌が

何度も何度もリピートして頭の中を流れてきました。

「くーみちゃんったら、ギッチョンチョンで、パイノパイノパイ音譜

父が、私に元気を出すように笑わせようとしてくれて

いたのかもしれません。

福岡空港でタクシーに乗ろうとしたら、

ちょうど久本雅美のテレビの撮影にぶつかりました。

すぐ隣に久本雅美がいて、(あっ!)と思いましたが、

私は先を急ごうとします。

しかし、前のタクシー3台がそのテレビの取材の人たちが

乗り込んでいて、私はその後のタクシーに乗っていたので、

すぐに出発できず、少し待たなくてはいけませんでした。

やっと出発して、葬儀場へ。

入口には、父の名前が書いてありました。

控室に、「ただいま~」と入っていきました。

母と妹たちがいました。

父の棺もあり、そこに父は眠っていました。

やっと、私は父の元へ帰ってきました。

「お父さん、遅くなってごめんね」

2012-11-09 | Posted in 父のことNo Comments »